握野英雄さんに救われた話

こんにちは、はじめまして。物騒な名前をしていて申し訳ありません。恐怖!モラトリアム倒錯おじさんもといただのと申します。おじさんと呼んでいただいて構いません。

握野英雄さんを知り、握野英雄さんに救われて一年は経ったので思い出などをどこかに吐き出したかったので、恐縮ながらもはとさんの素敵な企画に参加させてもらいました。ぽっぽアドベント15日目担当ですよろしくおねがいします!

adventar.org

 

いざ書いてみると長くなってしまいましたが、ほどほどに読み流し、無理なところで切り上げてください。でも長文書いた以上やっぱり読んでもらえると嬉しいので、ぜひ読んでください。では行きます。

 

 

握野英雄とは誰か。

 

握野英雄はアイドル育成シミュレーションゲームIdol M@ster sideM(以降Mマス)において315プロダクションに所属している男性アイドルである。315プロには現在46人の所属アイドルと15のユニットが存在し、それぞれが弁護士から格闘家など異なる前職から様々な理由あってアイドルをしている。握野英雄はその中の前職公務員ユニット、FRAMEのリーダーを務めている元警察官の若者である。

 

私と握野英雄の出会いは至極単純で、友人が長年アイドルマスターシリーズのプレイヤー、所謂プロデューサーでありめでたくMマスにもハマり、Mマスについての話を沢山聞かされたのだ(オタク、ハマったばかりのもの沢山話したくなっちゃうよね)

 

実在のアイドルにもアイドルジャンルにもハマったことが無く、特に興味も無かった私は当初話半分で聞き流していた。しかし何度も話を聞かされ、キャラクター一覧を見せられているとなんとなく好ましく思うようになるので不思議である(単純接触効果という)

 

それでも私の男の趣味は元より真面目で凛々しく"野郎"っぽく、闘うことを好むが心優しい努力家で顔に傷のある男性(大事)であり、アイドルにあまり期待することはなかった。

並ぶ46人の男達の顔のうち、さっぱりした笑顔が好ましいな、と思ったのが握野英雄だった。

 

 

沼に引き摺り込みたい(と、いうよりはハマらなくても同じ言語を共有して欲しかったんだと思う)オタクは手段を選ばない。私がこの子良いね、というとキャラクター設定を色々と教えてくれた。

 

握野英雄のアイドルとしてのキャッチコピーはこうだ。

元・警察官のヒーロー参上!悪人面はご容赦ください!

悪人面らしい。おじさんの目には可愛い男性が映ったことしかないが。

握野英雄は心優しく、子供が好きで、警察官時代から何処にも居場所がないと感じている子供達に「1人じゃない」と伝えたいという強い想いを持っている。しかし生まれながらの悪人面で笑顔を作れば肝心の子供たちには泣かれてしまうという悩みを抱えていた。警察という職業で限界を感じていた握野英雄が出会ったのが「アイドル」という仕事であり、アイドルとして歌を通して子供達にメッセージを伝えることができるのではと考えたらしい。

握野英雄は顔が怖く笑顔を作るのが苦手というコンプレックスを抱えつつも、救いたい子供達のためにアイドルという職業に踏み出すことができるヒーローなのだと知った。

あと強面の見た目に反し実は甘いもの、特にパンケーキが好き。店にも行くし自分でも作る。

 

めちゃくちゃ素敵なひとじゃん……

 

思えば名前も完璧だ。悪の、ヒーロー。悪なのは顔だけだが。笑顔、めちゃくちゃ可愛いんだが?まあこれは主観である。名前から笑顔が可愛いことが滲み出てるけどね。

更にオタクとして長年育つとあらゆる点にすぐに合点がいってしまう。前髪を長く伸ばしているのは目付きの悪さを隠すために違いないとか、その目付きの悪さはしかし瞳の色が薄く綺麗なブルーで瞳孔が目立ってしまうために三白眼に見えるからだ。本当は瞳は大きくそこまで三白眼ではないなどと。

あとサインがフルネームの署名なところが好感度が高い。

画数多いのに どの画も省略せずしっかり書いているところからも真面目さ誠実さが滲み出ているな。

 

この時点で握野英雄にベタ惚れしてるじゃんと言われれば、まあそうである。少し後に握野英雄について調べる中で、アイマスにはヴィジュアル値などというものが存在し、握野英雄はキャラクター設定上数値が低めに設定されているということを知り発狂した。だって握野英雄さんの顔について可愛いとしか思ったこと、ないからね。

 

とりあえず握野英雄はアイドルであるので、ソロ曲を持っている。件の友人からとても良い曲だとのお墨付きを貰い、後日ソロ曲「ハートフル・パトローラー」を買った。

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笑顔が可愛いあくのさん

 

 

ここまで単純に好きなキャラに出会って沼落ちしているだけに見えるだろう。本当は私の身の上話などせず、握野英雄さんの素晴らしさについてだけ語りたいが、救われた話をすると銘打ってしまった以上、救われた話をする。

 

おじさんの身の上 (流し見でいいです)

私はまだ人生の序盤も序盤だという自覚はあるがこの時点で恥の多い生を送り、今後も更新し続け、人間と関わるのも下手で、とにかく人間として生きるのが下手であり、その他諸々の理由からも、誰も私のことを愛さず、おどれは一人で生き、一人で死ぬのだと既に諦め混じりの覚悟を決めていた。早すぎる。しかし巻き寿司を握れない誰もお前を愛さない人のミーム画像、あんな感じが私です。

オタクとしての元気度においても、年上のフォロワーに「既に隠居老人」との評価をもらうくらい元気がない。自分なりにマイペースに楽しくオタク活動はしているつもりであったが、オタクとしての楽しさとは別に心の底で「咳をしてもひとり」の精神が常にあった。

さらに当時全力で狂っていた前ジャンルのfandomの雰囲気に色々あって疲れ切り、いよいよ精神がやられてしまうかもしれないな、そんな時に出会ったのが握野英雄である。

 

おじさん、ヒーローに出会う

握野英雄のソロ曲、ジャケ絵の握野英雄さん、やっぱりこの人顔、かわいいよねなどと思いながら意を決して再生した。(隠居老人オタクにとって新しいジャンルの、既に好ましく思っている男性の恐らく深いであろう場所に触れるのは、酷く恐ろしいのだ。)

 

握野英雄は真っ先に、真っ直ぐに、「君は今ひとりじゃない」と、歌った。

 

握野英雄が子供達に歌を通して「ひとりじゃない」ことを伝えたいことは情報として知っていた。それについて素敵だと思っていた。しかしそれが実際に歌になっているのを聞いた時、涙が止まらなくなっていた。

握野英雄が「ひとりじゃない」と伝えたいのは、救いたいのは、そうは言っても子供達だけだろうと思っていたが、そうでは無かったらしい。握野英雄の「ひとりじゃない」という言葉は人生を孤独に生きる諦めの覚悟を決めたばかりのオタクに酷く染みた。覚悟を決めたばかりなのに、私もひとりじゃないのかもしれないと思った。もしかしたらおじさんを自称している私もうまく成長できていない「こども」に過ぎなかったのかもしれませんね。

 

それから暫くは寝る前に握野英雄さんのソロ曲を聴いて、枕を濡らし、ひとりじゃないのだと、存在しても良いのだと思ってから就寝した。

握野英雄さんは私の「ヒーロー」になった。

 

握野英雄さんの所属しているFRAMEの曲も買うことにした。FRAMEさんは元公務員ユニット(そして他2人は元消防士、元自衛官。FRAMEは筋肉枠なのだ)ということもあって、私たちに寄り添い支える歌を真摯に歌ってくれる。ユニットとしての曲は2曲あるが、「勇敢なるキミへ」が大好きだ。握野英雄さんがCメロで高らかと力強く「見てごらんひとりじゃないのさ」と歌ってくれるのである。私は再び聞くたびに号泣し、枕を濡らしながら眠ることになる。

 

おじさんの変化 

握野英雄さんに出会ったのが冬、気付けば春になろうとしていた。人間が下手なので新生活などイレギュラーな事態がまとわりつく春という季節が心底苦手である。特に自分に何もなくてもその春の雰囲気に精神が脅かされ、春になるたびに鬱になっていた。しかし今年は違った。マジでめちゃくちゃ死ぬほど元気だった。

毎夜握野英雄さんの歌を聞き涙を流しそれまで塵程も存在していなかった、この世に存在してても良いという自己肯定感が生まれつつあったのだ。表向き1人かもしれないが私の心には握野英雄さんがついてくれている。そう思えた。

 

精神が脅かされずに5月。Mマスさんには4thライブが控えていた。

繰り返すがアイドルにも、アイドルジャンルにも興味がなかった私にはライブは縁のない世界だ。長年某海外俳優を推してはいるが、元来推しに会いたくないタイプのオタクである。しかも同じオタクに囲まれるのも怖いので、ライブですらハードルが高い。

しかし幸運なのか、運命なのか、5光年先にあるのではないかというレベルの地元で4thライブのライブビューイングが実施された。2daysで握野英雄さんは2日間登壇されていた。怖くて仕方なかったが、友人からの後押しもありまあライビュなら…とチケットを取った。オタク人生○○年ではじめてのライビュ参加である(経験が乏しすぎる)

 

結論を言うと握野英雄さんは最高だった。アイマスさんのライブは声優が担当キャラとして登壇し歌うシステムになっているが歌っている間完全に握野英雄が見えていて足元が覚束なかった。勉強不足もあり、はじめて聞く楽曲(FRAMEさん以外のユニットなど)もあったがどれも良かった。Mマスさんの歌、真っ直ぐで優しさしかなくて、キラキラしすぎてるかもしれないけど多分何かしんどい人ほどその真っ直ぐさに救われるように思えた。なんかTwitterでMマスにハマった理由アンケみたいなので圧倒的に「救われたから」に票入ってて何も笑えなかった。私も救われた1人だったからだ。

 

実はこの後アニメシリーズのアイドルマスターを見て、アイマスって良い子しかいないんだなあ、と知りました。それはMマスでも変わらず。真っ直ぐで心優しく努力家の良い子しかいないんですよね。しかもそれが報われる世界。優しい…………泣いてもた。さらにMマスはアイドルになる前に前職という土台があって、悪い言い方をすれば何かしらの挫折を味わっている子が多い気がする。個性豊かでもしかしたらその個性故に社会からはあぶれてきただろう子たちもいるそんな子たちがアイドルをして輝いていて、誰にも拒絶されず受け入れられている世界だというのを知ってしまい、完全にダメだった。優しさのベクトルはほとんどクィア・アイと同じである。

 

Mマスさんが優しいジャンルであることを知り、握野英雄さんの歌を聞いて涙よりも笑顔が出るようになった頃、友人がMマスも登壇するバンナムフェスのチケットに無事当選した。当然のように私の分も取っており脂汗が止まらなかった。

オタク人生○○年で初めてのライブ現地参加である(経験が乏しすぎる)

 

このライブで初めて現地でFRAMEさんを見ることが出来た。しかも曲は大好きな「勇敢なるキミへ」だった。この曲にはサビで「FRAME!!」とコールを入れるところがある。実際にこのコールを入れてFRAMEさんを呼ぶことがささやかな夢になっていたので本当に嬉しく、成人の足ってあそこまで小鹿のようになるんだな。と言うくらい感動でガクガク震えていた。

そして東京ドームというめちゃくちゃでかい会場で、男も女も、ガンダムからアイマス、テイルズまで好きなジャンルもごちゃ混ぜの人間が集まっている場所で堂々と歌うFRAMEのリーダー握野英雄さんはとても遠かったけど輝いていて、ああまた握野英雄が誰かの心を救って、誰かのヒーローになってるんだと悟り、情緒がぐっちゃぐちゃになった。

 

人生で初めてFRAMEさんを呼んだ後に飲むビール、今まで飲んだ中で1番美味しくて信じられなかった。夜はまだほんのりと光っている緑色のケミカルペンライトを握りしめて寝た。

 

長くなってしまったがここまでが私が握野英雄さんと歩んだおおよその道のりである。オタクとして初めてをたくさん捧げた。でもそれ以上に握野英雄さんに救われている。

 

おじさんのこれから

さて、勘付いている方もいるかもしれないが、実は私は未だ"プロデューサー"ではない。

 

握野英雄を知ってから、彼に対して"プロデューサー"になる暇もなく完全に彼の"ファン"になってしまった。

私にとってファンになると何が起こるかというと、推しには絶対に触れたくない、近寄りたくない、干渉したくないという我儘を発揮してしまうのだ。(自己肯定感のゴミさから発展している気はする)

 

しかしアイドルマスターにとって顧客、プレイヤーは大前提としてプロデューサーである。めちゃくちゃ困った。プロデューサーの仕事はアイドルである握野英雄をプロデュースすることだ。設定上干渉度が高すぎてストレスでゲボでそう。

あとアイドルなのにライブで呼びかける対象はプロデューサーだ。ジャンルの仕組みからしたら当たり前なんだけど最初情緒がグチャグチャになった。悪いのは完全にこちらなのでこれに関して何もいうことはないが。

 

プロデューサーになることで何よりも、1番困るのは、握野英雄さんはプロデューサーのことを自分のヒーローのような存在だと言い、慕ってくれることになるのだ。

 

耐えきれんわ

 

私のヒーローはお前!!!恐怖の逆転現象である。

 

しかし言い訳をつらつら述べてもなんの意味もなく、CDを買ったりグッズを買ったりライブを見たりしても、結局私はエアプのクソ野郎、外野なのである。

 

ただこれだけ恩をもらっているジャンルに対してあまりにも不敬なこの状況を打破したいと思っている。その為には私の自己肯定感を常人のレベルにまで持ってくる必要があるのだ。(握野英雄さんのおかげで、私の自己肯定感はマイナスからやっと0になった。これは大きな前進である。)

 

ここで件の友人にもTwitterにも本当に誰にも言ってないことを告白したい。

アイドルマスターミリオンライブシアターデイズを始めました。

 

何故ミリシタなのかというと、アニメで見た765プロの女の子たち、特に菊地真ちゃんが可愛かったからです。

菊地真ちゃんもボーイッシュで女の子のファンが多く、王子と呼ばれるような人気があるが本人はレースがフリフリついているような服が好きで、お姫様になりたいと思っているような、望む姿と見た目とのギャップに悩む子である。菊地真ちゃん、可愛すぎるよ…ちゃん呼びしちゃお。

でもソシャゲ弱者のおじさんやること多すぎて何すればいいのかわからない アイテム沢山くれるけどどれを何に使うの? 何もわからん たまに菊地真ちゃんを踊らせて楽しむことしかできない。 もし良ければ何をすればいいのか教えてください。

 

おわりに

握野英雄さんと彼を生み出したアイドルマスターさんに、また握野英雄さんに出会わせてくれた友人に大きな感謝を。おじさんの惨めな人生は輝き始めました。

他にもなにか辛いことがある方、ただのファンの分際でうるさいかもしれませんが、Mマスさんは優しさの塊でした。なんせ46人もいるので、誰か一人は救ってくれたり、もしくは一緒に頑張ろうと思わせてくれたり、支えてくれるアイドルがいるかもしれません。良いジャンルだな。

おじさんの現状としてはこんな感じだし、いつか握野英雄さんのプロデューサーになれるかどうかは正直わからない。しかしいつかなれたらいいな、そんな気持ちでいます。もしプロデューサーになれたらよかったねって言ってください。頑張ります。

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4thライブのあと感極まって写経したあくのさん

 


それはそれとして円城寺道流、エッチすぎる。